母方の祖父が倒れたのは、先月半ばのことだった。
脳溢血だった。
一命はとりとめたものの、意識は戻らず、
長くはないだろう、と言われた。
春で、89歳になる人だから、
今まで生活の多くを自分で出来ていた事が、
すごいのだから、よく頑張ったものだよ・・・
等々、親戚一同あきらめの雰囲気の中、
祖父は意識をとりもどし、
左半身不随になり、
食事が出来ない体になったものの、
会話が出きるし、字も書く。
ボケが、急に進行し、我儘にはなったが・・・。
ただ、やはり歳だし長くないのには変わらない。
それなら、今、私に出来る事はなんだろう。
そう考えても、
私は医者や看護士でもなければ、福祉の知識もない。
出来る事なんて、何もないけど、
それなら、私だったらして欲しい事はなんだろう?
考えて、お見舞いに行って来た。
新幹線や特急、ローカル線など、
乗り換え4回乗り換え、5時間半をかけて、
私にとっては、大変な旅だった。
でも、行って良かった。
私が来ると知って、祖父は喜び、
その日の朝からずっと、
病室のドアが開くたびに、私の名前を呼んでいたそうだ。
帰るときも、手を握ってなかなか離してくれなかった。
祖父が、もう病院からケアハウスと、
家には帰って来れないだろうと、
荷物を整理する中で、
祖父の日記が大変頼りになったそうだ。
何がどこにあるのか、いつ何をしたか、
的確に、解りやすく書いてあった。
その日記を、私も読ませてもらったが、
無口だった祖父が、
どんなに私たち家族を、心配し、
あたたかく見守っていたのか、知ることが出来た。
そのうちの一冊に、
私の結婚式を喜ぶ祖父がいた。
そのあたたかい言葉が嬉しくて、
祖父に頼んで、その日記をもらった。
家族ってなんだろう、介護ってなんだろう、
看取るってなんだろう・・・。
考えさせられたし、考えても何もわからなかったけど、
大切な気持ちに、気がつくことが出来たような・・・
私にとっては、だいじな3日間だった。
おじいちゃん、ありがとう。
そして3日留守を許してくれた旦那様も、ありがとう。
ただいま!
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